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弁護士によるTFCC損傷110番

弁護士が答えるTFCC損傷Q&A~目次


TFCC損傷

弁護士さん、TFCC損傷とはなんですか?

○ 手首は、小さい骨がいくつも集まってできています。その手首のくるぶし側にある小さい骨と骨の間にあるハンモック上の組織が損傷することによって、手首に痛みが生じた状態を、TFCC損傷と言います。TFCC損傷は、主に、自動二輪を運転中に、転倒して、とっさに地面に手をつけたことが原因でなることが多いです。また、この手首の間にある小さな骨は、レントゲン写真には写らないため、通常の診察では見つからないケースが多いです。そのため、手を怪我して、しばらくたっても手首の痛みが取れない場合は、TFCC損傷を疑っても良いでしょう。

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弁護士さん、TFCC損傷の後遺障害認定には、どんな基準がありますか?

○ まず、TFCC損傷は、手首の痛みが主体の病状ということから、認定基準としては神経系統の機能障害が基準となります。ただし、TFCC損傷でも、重症の場合は、認定基準が、関節機能障害になることがあります。

【神経系統の機能障害の場合】

自賠法施行令別表第二
第12級13号
通常の労務に服することはできるが,時には労働に差し支える程度の疼痛が起こるもの
自賠法施行令別表第二
第14級9号
通常の労務に服することはできるが,受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの
自賠法施行令別表第二
第8級6号
1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
自賠法施行令別表第二
第10級10号
1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
自賠法施行令別表第二
第12級6号
1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
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弁護士さん、TFCC損傷と立証するために、やるべきことはありますか?

○ TFCC損傷を立証するためには、専門医によるMRI検査や、関節造影検査を行い、TFCC損傷を証明することが、まずは必須となります。そのうえで、怪我をしてから手首にどの程度、どのくらいの期間、痛みがあったかを主治医に確実に伝え、その情報をカルテに記録してもらうことが大切です。

もし、医師に手首の痛みに関する詳細な情報を伝えないで、カルテにその内容が書かれなかった場合は、TFCC損傷を立証する際に、事故との因果関係がないという判断をされ、否認される可能性が高いです。 また、TFCC損傷は、怪我をした直後に手首に痛みを感じてレントゲン写真撮影をしても、「異常なし」と判断されることが多いので、なるべく早い時期に、MRI撮影をすることをお勧めします。

もし、わからないことがあれば、専門家に相談することをお勧めします。ウカイ&パートナーズ法律事務所は、無料電話相談も、弁護士が担当していますので、是非とも気軽に相談していただければと思います。

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弁護士さん、TFCC損傷における素因減額の問題とはなんですか?

○ 素因減額とは、被害者が有する「素因」の存在のために、損害賠償額が減額されるというものです。「素因」とは事故前から存在している疾患等で、事故後に発現した症状に影響を与えている可能性があるものです。TFCCに関して素因に該当する例としては、加齢によるもの、既存の事故による受傷、長期間の手首を使う労働などの影響等が考えられます。

保険会社側より、事故後に発現した手首の症状に関して素因減額が主張される場合がありますが、裁判上の扱いはケースバイケースであり、不安なことや分からないことがあれば、専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。

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弁護士さん、TFCC損傷の治療は、どのようなことをするのですか?

○ TFCC損傷の治療としては、下記の方法が考えられます。ただし、状況によって、治療方法が変わることことも十分に考えられますので、あくまで、参考程度にしていただければと思います。

固定療法TFCC治療で大事なのは、手首を動かさないようにすることなので、早い段階で固定療法を行い、手首を動かさないようにして炎症を抑えます。もし、無理に動かしてしまうと、症状が悪化する可能性が高いので、注意が必要です。
関節内ステロイド注射慢性的に、患部に負荷をかけてしまっていた場合は、ステロイドの関節内注射が必要になることがあります。
手術療法関節内注射を行っても改善が見られない場合は、手術療法を行います。主に、TFCC切除手術、TFCC縫合手術、尺骨短縮術などがあります。
症状固定の時期症状固定とは、治療を継続しても、大幅な改善が見込めない状態のことを言います。TFCC損傷においては、治療開始から症状固定までの時期の目安が、一般的に6か月から1年です。ただし、TFCC損傷は、TFCCと診断されるまでに時間を要することが多いので、それに伴い、事故時からの、治療期間が長くなる傾向があります。
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